アカアザタケ キシメジ科 モリノカレバタケ属。
学名:Collybia maculata
まだ残暑の頃、ブナ林で見つけたものは、図鑑に書かれてあった通り強靭で、そしておそろしく辛かった。 窪地の斜面にそれは白い柄だけが見えていて、傘は土の中に埋もれたままになっていた。その曲がった柄に指を掛け、引っ張ってみるがビクともしない。よぉしとばかり、満身の力をこめて引くと、ゴソッと抜けた。あまり硬いものだから、木の根かと思ったくらいだが、やはりキノコだった。土を払い、少しだけかじってみた。そしたら舌を刺すくらいの辛みにおそわれた。だいたい2時間くらいそれは続いた。
それいらい、しばらくはこのキノコを見つけても無視を決めていた。なんでこのキノコが食用菌とされているのか・・・。
そののち、カラマツ林でこれを見つけた。わりときれいに生えそろっているので、すこしかじってみると、ほとんど辛みを感じない。持ち帰り、ゆでてみることに。煮汁にすこし辛みを感じる程度でこれなら問題なく食用にできる。この一度ゆでたものをみそ汁の具にして食したが、意外にもよい食感で、絹ごしの舌触りがなんともいえない。
苦味はモノによるらしい。最近ではこれも有毒とされている図鑑もあるようだ。食中毒の報告でもあったのだろうか。
|