魚野川本流
あんまり僕とは相性の良くない河です。
足しげくかよった時期もありましたが近年、足が遠のき気味でした。
人が多いのでお気に入りのポイントに必ずしも入れるとはかぎらないし、ここも有名な釣り場なのでけっこう遠くからの釣り人が多い。
何年か前から釣れなくなったとの声も聞きました。
人も多いけど鵜が増えたせいではないかといいます。
事の真偽はともかく、難しい釣り場という印象はあります。
私自身、それほどの実績があるわけではなく、アタマをまるめて帰ることも多いところです。
これ以降はむかしの記録をひろいながらまとめたものです。
まだ残雪が厚く川原を覆っている4月頃。
僕のルアーフィッシング黎明期で、まあ事実上最初のヒットにめぐまれた日だった。
釣れたのは銀色の、体色のうすい細身のヤマメだった。ヒカリとか銀毛とかいうやつかもしれない。
それからウグイ。
ルアーはリーフタイプのスプーンで、岸沿いを逆引きしてヒット。
しばらくはおなじ手法でやっていたが、この後はなかなか釣れなかった。
福山橋から見た上流。右岸の灌木のあたりで。
H8年 5月26日。城巻橋下。
水深のある瀬で、流れは複雑。いくつか大きな石が頭をだしている。
そのひとつに立って、ダウンストリームで攻めてみた。するとヤマメカラーのサスペンドミノ―になにかついてくる。が、なかなかバイトしてくれない。やがて飽きられてしまった。
ポイントを替えようと思ったが、行きがけの駄賃にとアユカラーのディープダイバーでクロスストリーム。そしたら一投目でガツン!
6.2ftのミディアムライトのロッドをひきしぼったのは33センチのいかつい風貌のイワナだった。
さっきまでサスペンドミノ―についてきたものと同じ魚だろう。
H9年6月15日
福山橋の少し上流のテトラ帯でヒットしたヤマメ。
27センチだから、普通の小河川ならともかくこの大河でこのサイズは、やや残念。
みると魚体のあちこちに古傷があり、ヒレもささくれている。なんとなく苦労がしのばれる。
早々に流れにもどした。
福山橋上流からのぞむ上流。
H9年8月。
いまはない八海橋下流の深瀬で釣れたヤマメ。
サイズは28センチにすぎないが、銀ピカの魚体にはパーマークはほとんどみとめられなかった。
たぶん戻りヤマメというタイプだろう。
すでにアユの盛りで、ヤマメを狙うなら朝マズメしかない。
この日も早朝から川面に立ち、陽が高くなりアユ師の姿が目に付くころ、納竿するつもりだった。
すでに午前11時をまわっていた。それまでノーヒットでほとんど諦めていた。
最後と思い、この日まだ使用していなかった薄紫色のスローシンキングミノーを放ってみた。
その一投目でヒットしたのだ。
5月のはじめ。
雪の比較的少ない年だったと記憶している。
この時期にしては水量が少なめで、川の中央部にザラ瀬ができていた。
その瀬と流芯のなだらかなカケアガリをねらったつもりだったが、8グラムのスプーンはザラ瀬の真ん中まで飛んでしまった。
しかしすぐにロッドに重みが加わった。
遠くで水のはねるのが見える。
大物らしい。リールのハンドルが重い。
魚が流芯にはいるととても巻けなくなった。
ラインは5lbだ。ドラグもそれに合わせてあるのでイトが出ていく。
やがて魚は岸に寄ってきた。流れのゆるい所にきたので、ゆっくりと慎重に巻いていく。
意外と魚はおとなしい。引きあげてみると、りっぱな胴周りのハヤだった・・・。
最初の重さは「ハヤのひと伸し」だったか。
サイズは36センチ。
2008年
長岡市越後川口和南津。
この下流域ではまだそれほど釣り人は見かけない。
でもぼくの魚野川釣行はまずこのあたりから始めるのが通例。
JR上越線と国道17号線を目前に、右岸の瀬をダウンストリーム・・・。
ゴッツンと鈍い魚信にロッドを立ててフッキング。
手元に振動が伝わってくる。頭を振っているのだろう。
こんどは走り出した。
流れに乗って下ろうとしている。ここはまだ耐えるところだ。
強い引きで巻けないが、ドラグが鳴るほどでもない。
ふいに引きがゆるんだ。こっちに向かってきている。
おぉ、いい型!尺はゆうに超えている。
水中の魚影でもそれがわかった。
ネットに入れ、雪の上におく。
「イワナか・・・」
僕はあまりこの河でイワナの実績はない。だからすこしおどろいた。
この魚体に。
小さな頭部に丸い胴体。エサが豊富で成長が早いのはわかる。
しかしこの頭の形だ。 扁平にみえる。
速くて強い本流の流れに適応した結果だろうけど、このタイプのイワナを釣ったのは初めてだ。
H20年6月半ば。
この川の、ここに来れば高い確率で釣れるというポイントを、ぼくはいくつか知っているが、そのひとつがここ。八海橋の500メートルくらい下流の深い瀬である。
この日は黒川虫を使ったエサ釣りで、わりといいサイズのニジマスを数匹釣り上げた。
そのほかに小さなハヤとヤマメを釣っているが、あまり大物のでるところではない。
だいたい僕はこの魚野川で大物の実績があまりない。
尺くらいならそこそこ釣っているが、この大河でその程度では、自慢する気になれん。
ここは大きい魚がいるし数もいる。ハンパない数の魚を放流しているのだから当然だが、思ったような成果を上げられずにいる。
相性がよくないんだと、自分の腕を棚に上げているが、泣きごと言っててもはじまらん。精進しようか。
2匹とも尺上である。
H21年9月。
朝は涼しいというより、もう寒さを感じるようになった9月の終わり。
魚野川中流、坪池橋上流の深場。
この時期はバッタ類が多く、エサの調達に不便がない。そのへんの葦にいくらでもいる。
チヌ鈎にイナゴを背掛けにし、投入。
数投目に目印の流れが止まり、イトを張るとそれは動きだした。まるでコイのような重々しい手ごたえ。
耳元に竿鳴りを聞きながらひたすら粘る。粘りながらも、やはりこいつはコイか・・・?
取り込んでみてニジマスとわかって、意外な感をじを受けた。
重いだけで、ニジマス特有の、あのはげしいファイトがなかったから。
よく見ると、ヒレがずいぶん擦り切れている。とくに尾びれは半分くらいになっていて気の毒なありさま。これでは十分に水を撹くことができなかったろう。
ハリを外してやってもしばらくは体を横にしている。
水の動くところに誘導してやると、ようやくゆっくりと深みに戻って行った。
皮一枚だった。
翌年。
おなじ場所に立つ。
まわりを見渡すと人が多い。まだ朝早いというのに、僕と同様、のこり少ない漁期をおしんできているのだろう。
例によってイナゴをちょん掛。振り込む。
ひとはイナゴ餌の場合、水に浮かせて流すというけれど、僕はそのやり方では成果がなかった。だから重いオモリで思い切り沈める。
何度目かの投入で、やっと魚信があったが、ハヤだった。
陽が強く射しはじめた。今日は不釣果かと思った矢先、ついにそれはやってきた。
目印がすとんと水中におちる明確な魚信があり、即座に合わせる。
竿を立てるが、動かない。振動が伝わってくるのは水中で頭を振っているせいだろう。
竿をたおし、次の動きにそなえると下流に走り始めた。
道糸は1号。切れはすまい。だが相手は上流、下流、対岸へと縦横に走り回る。
竿の曲がり方はほぼ限界に近かっただろう。実のところ、あまり性能のよい竿ではない。
バットまで力を吸収してくれるような能力はない。
ヒヤヒヤしながらも、フットワークを駆使しながら耐えていると、やっと深みから白い魚体をのぞかせた。
やはりでかかった。またしてもニジマスではあったが。
秋の日差しに緋色の貌が映える。
陽が高くなり、気温も上がってきた。
ポイントをずっと上流、湯沢地区にきてみた。
よい感じの瀬がつづく。深場がないので大物は期待しなかったが、思った通り小型のヤマメがでる。
エサのササキリ。
これより上流となると、ニジマス以外はあまり釣れない。
これはむかしの古い画像だけど、このサイズのニジマスがよく反応してきた。
正面が湯沢中央公園。左側から大源太川が合流している。
ニジマスは、手前の段差下でヒットした。
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