三国川(さぐりがわ)
三国川ダムの工事のはじまるまでは、魚野川水系のなかで屈指の名渓で、魚影の濃さでも知られていた。といっても僕はそのころの三国川を知らない。古い釣り情報の本でそのころの三国川を想像するのみである。
ダムの上にも何度か行ったが、たいていは先行者のクルマが数台停まっていて、いまだ源流には入ったことはない。
雪代の三国川はなかなか手ごわくて竿のだせるポイントは限られているのだが、この日、下流域を攻めてみることにした。
4月上旬、この時期にしては水量は控えめで、水も碧く澄んでいる。とはいえ5.3mの竿ではやや頼りない。7mの本流竿を持ってくればよかったが、仕方ない。
テトラのならぶ深瀬にカワゲラを餌にして投入。水の押しがつよくてナチュラルドリフトなどと言ってなどいられない。オモリを4B二つ付けで底をとる。すると目印が水中に没し、竿を立てると強い引きがかえってきた。大物に備え竿を上流に倒す。水中で銀鱗の閃くのがみえた。思ったほどのサイズではない。竿を立てるとすぐに浮かんできて、引き抜く。7寸もののヤマメだ。
なんとなく感慨深いものがある。上流ではイワナの型物をなんどか手にしてはいるが、ヤマメには縁がなかった。碧い水色を映した三国川ヤマメにしばしみとれ、水に帰した。
ところで、上がなんかうるさい。さっきからヘリの音がするのだ。
よくヘリコプターが鉄塔や電線のいたみがないか、目視点検するというのだが、これはそれとは違うらしい。カメラに収め、後で調べた。タンデムローター式の大型輸送用ヘリコプター「CH-47Jチヌーク」自衛隊機だった。なんの用だったか知らないが、しばらく飛び回ったのち八海山の方角に飛び去った。
2009-4-10
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?longitude=138.91692057159&latitude=37.080292025863
古い記録ではあるが、これは三国川中流、野中付近のもの。
五十沢発電所から上流。すでに入渓者が多く、きびしい釣りになるかと思い、ハエ竿釣法をしてみた。だが二匹も尺物が出るとわかっていればこんな釣りはしない。魚がかかると、竿先が、持っている竿尻よりも下を向く。魚はいつまでたっても弱る様子がない。・・・結果的には切られることもなく(0.2号)捕れたが、もうハエ竿はここでは使わない。
まだ未熟な僕の腕でもこういう魚がでるのだから、やはり良い渓流なのかと思ったものだ。でもその後の釣りは振るわなかった。
放流はされているのだが、それよりも入渓者が多いのかもしれない。
かつては放流などなくても数、型ともにそろうすごい渓流との記事も読んだことがあるが、もはや過去の話なのだろうか。ともかく僕にとっては相性のよい川ではない。
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?longitude=138.98425474669&latitude=37.053736202524
三国川2
支流・野中沢川
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