野々海川・西沢
長野県栄村西大滝。
野々海川・西沢。ここは何年ぶりになるだろう。野々海川へはちょくちょく訪れていた。そのたびこの西沢を一瞥し、いずれまたやってみようと思い続けていた。そして十数年経っていた。
たしか一眼レフを持ち歩いていたころなのだが、画像データがない。今のデジカメと違い、現像プリント代がばかにならないので、あまりシャッターを切らなかったのだが、目立った成果がなかったので何も撮らなかったのかもしれない。
それにしても、前回の西沢釣行の記憶がかなり曖昧だ。上流で、川がわかれるところで、たった一匹のイワナを釣ったのを記憶している。21pくらいだったか。その場所まで行ってみたいと思って来てみた。
近づくと2段になっていて、それぞれ一匹釣れた。
人口の構造物だが古くていい雰囲気がある。
東沢との合流地点から最初の砂防堰堤がみえる。その下でいきなり良型2匹。これはすごい。この時期なのに人が入っていないのか!?そう思わせるほどのスタートだった。ところが・・・。
二つ目の砂防堰堤。
魚がいない。河原は開けて釣りあがりやすいのはいいとしても、こうも無反応なのはどうしたことか。もっとも前回の釣行でも魚はでなかった。
ポイントはある。だが砂防堰堤下の滝つぼでも沈黙したままというのは、なんか納得しがたい。とはいえ釣れないのは仕方ない。それにしても、こうも砂防堰堤、あったっけ?崩壊しているのを除いて4っつもあった。
三つ目。
四っつ目。
イワナを見ることなく遡行を続ける。残雪があった。かなりの量だ。きれいなところにナイフを突き立て、削って口に運ぶ。冷たい!うまい!頭がキーンと痛い。夏の烈日に雪を見るのはおつなものだ。下界では35℃もあったからな。
みごとなスノーブリッジだ。落ちてくることもないだろうが、念のためくぐらずその横を行く。
あまりにも魚の気配がないので竿を仕舞、沢登りに徹する。前回は川がわかれるあたりでやっと一匹釣ったんだった。そこまで行く。
で、そこについたんだけど、やはり記憶があいまいでなんかちがう。まあいい。まずは右のほうに入ってみた。
谷が狭まり、木陰の中から良型が釣れた。
最初に出たのは尺ものかと思うような強い引きだった。そして釣りあがるほどに魚影は増してゆく。
木陰を出ると、また開けてきた。
ただ数は出るもののサイズは落ちてゆく。渓相は落差のある落ち込みのつづくイワナ釣りの醍醐味そのもので、時間さえあればもっと奥までと思ったけれど、もう一つの沢にも入ってみたい。いったん合流地点までもどり、左の沢に入る。
こっちは少しばかり濁りが入っている。最初の滝下で良型ヒット!尺には及ばないが大物にはちがいない。ただ、ハリをのまれて流血となった。ハリはすぐ外したが、イワナは流れの緩いところに休ませておいた。帰りに白い腹を見せているようなら持ち帰るつもりだったが、いなくなっていた。
この分ならと期待して釣りあがったが、なんか音がする。「ドーン」という、遠い音だ。遠雷かな、それともジェット機か?ま、いいか。釣りを続けよう。そう思ったが、とたんに水が濁り始めた。そしてほとんどココア色に・・・。
どうやらこの先の残雪が崩壊したらしい。これではどうしようもない。納竿だ。
野々海川へのルートはいま、「野々海川水源地域整備工事中」とかで、そうとう奥まで工事用のルートができている。どこまでそうなのか確認はしていないが、かなり気合の入った工事しているらしい。仕事の邪魔にならないようにしたいが、この日は「本日の大型車両の往来はありません」とあった。工事はお休み。
何年か前、東沢に入ったとき、その上流が震災によりひどく荒れていた。土砂によって川が完全に埋まっている個所もあった。その辺を治す工事かもしれない。
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