日光川
長野県飯山市大字豊田瀬木。
地図で見てもわからないが、戸狩スキー場をながれる日光川の流域は、自然公園になっている。江戸時代の故事を記念した碑などもあって興味深い。
ハイキングコースが整備され、歩道から竿が出せる。そういう意味では釣りはしやすい。でも当然、釣り荒れを予想していた。そしてやはり結果は芳しくなかった。そもそも水がない。
水量さえあれば、大場所となっていたであろう落差。
実はこの渓流、初めてではない。一昨年の4月の終り頃、いちど竿を出している。
水量はやや多めだったけれど、適度にポイントがあり、理想的な渓流に見えた。しかし魚は姿を見せず。
この良渓に魚がいないとは・・・。
遡行してゆくと残雪の量が多くなって、川との高さが増してきて釣りにくい。水量の安定する頃にまた来よう。そう思ってこの日は納竿した。
北信濃の渓流は源流部に雪が多くて、雪代が5月いっぱいは続く。そのあとならもっとましな釣りができるかと思ってきてみたが、6月半ばのこの時期では、かえって時期を逸したようだ。
水は農業用水に取られ、見るも貧相な流れとなっていた。
でも失望するには早い。かつての運上川のようなこともある。そう思ってわずかなポイントを拾い釣りするも、徒労に終わった。
しかしそれは取水された区域でのこと。その上なら水量はいくぶんマシになっているだろう。
この上は遊歩道と、スキー場に分かれる道路に出る。
遊歩道を進んでゆくと道路に出る。水田があり、水田の水路をたどり取水路を遡ってゆくと、取水口にでる。
流れはあいかわらず細いけれど、まあ倍くらいには水はある。小さなポイントをこまめにつぶしてゆこう。
最初のなんでもない流れ込み、キジのチョン掛けでポチョンと落とす。
水深は40cmくらいしかなかったろう。仕掛けがすうっと別方向に移動した。竿を立てると、動き出した。
大きい。それは分かった。でも重いだけでそれほど動き回ることはしない。そりゃそうだ。こうも浅くて狭ければどうしようもない。
だけど魚体を見たらギョっとした。尺どころではない。それに赤みのある体側と黒い紋様、ニジマスかッ!
いちどジャンプを見せたが、イトは1号通し。まず切れない。
径30cmの手網に入れたが、やっと入るサイズ。37cm。
やはりこのへんは川が歩道から離れているから、入渓する人があまりいないのではないだろうか。だとしたらこの先、何が起きるのだろうか。
期待したが、大物はこの一匹だけだった。
魚影はそう多くはない。たまに釣れるのは18cmクラスのニジマス。このイワナの渓相でニジマスか・・・。
もっとも、遡ってゆくとイワナも釣れた。大きくはないが、原住民であろう。ひとまずほっとした。
水が少なすぎて、ついイワナを散らしてしまう。魚影が走るのを何度も見た。でもどれも小さくて釣りたいとは思わない。
遊歩道が左に見えてきた。石の橋が架かっている。この下でイワナを釣りあげたのを潮に竿をたたんだ。たぶんこの先も同じ調子で続くだろうと思われたからだ。
小渓流なので川幅がなくて枝がかぶさっている個所が多い。ほとんどちょうちん釣りの川だ。しかもクモの巣に悩まされる釣行だった。やるなら5月の終わりか6月初めと思っていい。
遊歩道から見ると水が見えない。
ちなみに遊歩道は、とんだいら高原まで続くらしい。とんだいら高原へはクルマで行ける道路がある。
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