中条川・西入沢川
長野県栄村(下水内郡)青倉。
5月上旬、北信濃・中条川西入沢川。雪渓を行く。
水量が多いなあ。だめかもしれないと思いながらもやってみた。ウェーダーなら渡河できなくもない。
こっちの沢は災害によって破壊された様子もない。この渓流は何年振りかと思い出そうとしたけれど、わからない。初めてかもしれない。一度でも入渓したことがあれば、しだいになにか思い出すものだが、それがない。
浅い流れ込みで小物が釣れた。イワナはいる。こんなささいなことがモチベーションに作用する。
水量は多めといってももともと小渓流なので、遡行するのにさほど苦労はない。
ゆるい土の上に人の足跡がある。最初に小物を釣ってからなかなか魚が出ないと思ったけれど、まあしかたない。
いまだ残雪が川を覆っている。雪は硬くて、今日は気温も低めだから崩落の危険もないと思って、その上を越えて行く。
お、今度は良型。まずは20p。このあと調子が出てきて、良型がつづく。おそらく先行者はこの先には入っていないのだろう。たぶん今より残雪が多かった時に来たのだろう。
そしてついに重い手ごたえが返ってきた。
尺はないが、25pは楽に超えている。貌もいい。こういう魚に会うためにここまで来たのだ。感謝をこめてリリース。
水面をおおう残雪が次第に多くなってくる。最後にこの25pを釣り上げて、はやい納竿となった。この先のイワナはいまだ暗い世界の中でしずかに暮らしているのだろう。彼らに会いにまたこよう。
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