涌井之泉川(仮名)
川の名前がわからない。地図にもなく、ネット上にもない。このあたりを管轄とする高水漁協に訊ねてみたこともあったけれど、いまだに不明。
釣りに関する情報はまったくない。こんな渓流が、まだいくつかある。
飯山市太田地区の清水 涌井の泉。昨年秋にこのあたりに訪れた際、みつけた渓流。
下流部は完全に用水路となり、いくつかにわかれ、広井川に流れ込んでいる。釣りをするなら、渓流の様相の残る中流域からとなる。
5月初め、北信濃の渓流は、多くが雪代で増水気味。釣りのできるところは限られていると思われた。
太田区南部簡易水道施設。舗装道路はここまで。
川はほぼ道に沿って流れるので、わりとどこからでも竿がだせる。ポイントは多いのだが、いまだ雪代が治まっていないようで、水量は多め。これだとかえって攻められるポイントが限られる。でも水質はとてもいいので、うまく攻めれば結果はでるはずだ。
かつてはこの渓流沿いにも水田や畑があり、その道ものこされている。いまでは野山の散策くらいにしか利用されていないのだろう。その道がほぼ川沿いに続く。とくに危険な個所もなく、まずは快適に釣り上がることができる。
水が多いといっても小渓流なので、あまり大場所はない。ポイントも川岸のちいさいヘチをたんねんに拾い釣りしてゆくこととなる。そしてちいさなイワナがハリ掛かりした。
やはりこのサイズか・・・。当然だな。
すべてのポイントに魚がいるわけではないが、魚信はけっこうある。この小川にしてみれば魚影はすくなくはない。水がもうすこし治まれば攻められるポイントが、もっと出てくるであろうから、釣期としては5月半ば以降とみるべきかもしれない。
やがて川は二つにわかれる。
右のほうの沢は、この時期でも水が少なめで、イワナのけはいはあまり感じられない。ただし水質はこっちの方が高い。
本流と思われる左側は水量豊富で、周囲の廃田跡にあふれている。
ニリンソウやショウジョウバカマなど春の花が咲きそろうなかを水しぶきが輝いている。
やがて笹の葉がおおいかぶさる落ち込みのポイントで、この日いちばんのイワナがでた。
サイズは26cm。元気だがやせている。
ササやぶ下のポイント。
このあと川は勾配を増し、ポイントもなくなってくる。
川はほとんどゆるやかな滝となっている。この勾配は約1kmほどつづいているが、この滝場にも流れに沿って道はわずかに残っている。
これを登りきると急に流れは平坦になり、やがて水源の北古池湿原に至る。イワナの魚影は見ているが、釣りはしていない。
水源は中古池・北古池湿原。国の天然記念物に指定されている黒岩山のすぐそばにある。動植物の保全地区になっているとかで、池での釣りはできないかもしれない。
右の沢の水源はこの泉。これが涌井之泉なのだろう。
わかりにくいが、中央に石造りの祠のようなものがあり、その両脇から清水が滾滾と湧きだしている。
涌井之泉。
涌井之泉から流れ落ちる右沢の清水。
沢沿いにあった瑞々しいワサビ。
スミレサイシン
ニリンソウ
ミズバショウ
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?longitude=138.37188888819&latitude=36.920930711577
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