釜川
名勝天然記念物に指定されている「七ツ釜」を有する川。
さらにその上流部はイワナ釣りのメッカで知られています。
ここは源流部ほど釣り人が多いようで、県外ナンバーの車も多く、埼玉、品川なんてのも見かけます。
私はと言えばどちらかと言うと田代集落付近で竿を出します。
必ずしも魚影の濃い川ではないのですが、かつてこの下流部、清津川出合いに近いポイントで小型ヤマメを数匹釣ったのが、この川でのヤマメ釣りのはじまりでした。
上から見た清津川、釜川出合い。
6月。例年よりは水の治まるのが早まっている感じがして入渓してみた。
ここで良い釣りをするには、すこし時期を逸しているのであんまり期待せず、タックルはライトタックルルアー。
エサ釣りがタフな時期になると、僕はおもにルアーを多用するようになる。
釜川橋より上流はよい瀬が続き、一見、どこからでもヤマメが出てきそうに僕には思えるんだけれど、今のところは貧果に終わっている。
丸みのある砂防堰を越えると、重機によって作られたただっ広い川原。
さらに遡行して二セアカシアの林のあたりから、ようやくそれらしいポイントのある流域となる。
しかし、たまに良型を見るものの数は出ない。
農道を利用して砂防堰堤まで行くことができる。ただし細い道なので、農繁期は地元農家の邪魔にならないよう配慮しなくてはならない。
堰堤近くまでくると釣り掘りがある。
やがて下流域最大の大場所、威容を誇る5段砂防堰堤下に到達。
魚止めになっているので、魚はいるけれど釣り人も多い。やはりプレッシャーのかかったところなので、難しい。
反応はシブいが、運が良ければこのくらいのサイズは出る。
この上はしばらく平瀬であんまり竿を出す気になれないところ。
やがて流れに変化のあるところになると、ぼちぽち魚信が出はじめる。
遡るほどに魚信はふえ、このテトラ帯は良型の集まっているポイント。
そして流れは右へ曲がると・・・。
この日、まさかのイワナの大釣りとなった!
テトラ帯のポイントで、Fミノーにでたイワナ。
すでに6月。釣り人も何人も入っているはず。
水にも勢いがなく、渇水気味。
ふつうならタフな釣りとなるはずなのに。
しかしこの流域に踏み込んだとたん、次々と小型ミノーについてくる魚影。
ヒットするのは20センチ、25センチといった良型。
どういうことだろう?なぜ急に魚影が濃くなる?
この時期にこの流域ごと竿抜けなんてことがあるのだろうか。
しかしそうとでも考えないと説明のつかない現象。
そしてついに出た。36センチの大物。
深場の流れ込み脇で。
ルアーはFミノーヤマメカラー。
青い線がルアーのコース、赤×印でヒット。
ここで釣りをしたのは、もちろん初めてではないけど、以前はこんなことはなくて、小さなヤマメがチラホラ。
放流の成果もあるのだろうけど、たまたまこの時期になっても誰もここまで入らなかったのかもしれない。
ここ以外の流域では、なかなか魚は姿を現してはくれなかったからね。
ふだんの行いが良いと、たまにこういうこともあるということかなあ。よい体験でした。
9月。ふたたび訪れてみた。こんどはイナゴ餌のエサ釣りだ。
あれから人が入ったのなら、前回のような好釣とはならないはずだ。
たしかに入れ掛かりとはならなかったものの、良型はでた。しかもそのうちの一匹はまたしても36センチだった。
ポイントは意外な浅瀬。水深は50センチ程度だったろう。対岸ギリギリにエサを落とし、流れになじませる。浅いので軽めのオモリでナチュラルドリフトに徹する。
目印がとまった。根掛かりするような深さにまで沈めてはいない。イトを張ると、わずかに動きを感じた。すかさず本アワセを入れる。
縦横に走り回ったイワナも、水深がないと思うようにパワーを発揮できない。ミチイトは0.8号の通しだ。余裕で岸に寄せた。
初夏に出会ったあのイワナではないだろう。右側に傷がある。天敵に襲われた傷跡だろうか。
すでに癒えていたようだが、このサイズの魚にとっては大けがであろうに、よく生きていたものだ。
ここから先、七ツ釜フィッシングパークに近づくにつれ、ニジマスが釣れ出す。
ニジマスとはいえ、プレッシャーがかかっているだけに手ごわい。
橋の上流。
この日は25〜30センチの良型がでた。
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