中条川・西入沢川
長野県栄村(下水内郡)青倉。
中条川・西入沢川。前回、残雪に阻まれて引き返した、その上流を行く。
水量は減っていたが、少なすぎるということもない。でもすでに人は入っているだろう。タフな釣りになると予想したが、最初のポイントでいきなり釣れた。一投目でだ。意外だった。
仕掛けは3.6mの竿に3mの通し仕掛け。ハリはownerへらSプロスト5号。これにミツトゲカゲロウを2匹つける。
これはよい釣りになるかと思ったが、そうでもなかった。このあと釣れるのはキープサイズを下回る小物ばかり。やはり良型は釣られたか。砂地にのこる足跡を見ながらそう思った。もっともこの辺は先月やっている。あまり時間をかけずに先に進む。
このイワナはマシなほう。
緑が両岸から覆いかぶさる。この先もこの調子かと思ったが、意外にも開けてきた。前回、雪渓のまえで引き返したところは、まだろくに草がはえていない。3mの通し仕掛けで十分釣りになる。
イワナは釣れるが20pをすこし超える程度のサイズだ。やがてあまり高くない滝場が現れる。
この辺から徐々に落差が増し、そして最初の本格的な大滝に到達した。
当然、滝つぼの大物を釣り上げるべく気合いが入る。でも釣れたのは・・・。
先行者はここまで来たのかもしれない。いずれこの子がここの主になって、竿を曲げてくれるよう、祈念してリリース。
ここで休憩し、腹ごしらえの後、この上を目指す。
下からではわからないが、この滝は3段階になっている。目の前の急坂な岩場を上ると、右手に細い沢がある。水はなく、雪解けか雨でもなければ水が流れないのだろう。これを利用して上の段に這い上がる。
分かりにくいが、右に行くと細い沢があり、急坂だが滝を高巻ける。
中段の滝つぼはとても良い雰囲気で、大物を予感させた。水煙のなかで竿を振る。
上2段の滝。
こうした滝つぼは流れが複雑で、仕掛けが思いもよらぬ方向に流される。魚信は目印の動きではなく手元にコツンという感触で伝わってきた。
竿を立てると、振動が伝わってきた。頭を振っている。そしてすぐに走り始めた。竿がビューンとしなった。
やっぱりいた。大物が。こうでなくてはな。周りに流木とかがあって、足場が悪い。うまくやらないと、これらに仕掛けが絡まるやもしれない。おちついて十分に弱らそう。そう思ったが、案外早く魚が浮いてきた。
え、・・・尺はなさそうだ。これなら抜ける。
まあ27pといったところか。胴回りがあるので、重いし力もあったのだろう。というわけでリリース。
さてこの上の段だが、どうもルートが定まらない。あきらめて一気に高巻くことにした。さっきの細沢を上り、左に移動、ツバキの灌木がやたらと密集する藪を突っ切り、たぶんカモシカの獣道であろう細い路を行き、どうにか滝の上に出た。
上から見下ろすと、滝の上も急な傾斜を流れているのがわかる。こわくて、確かめてみる気にはならなかった。
さてこの滝の上ならば手つかずのイワナが出てくれるんじゃないかと期待した。去年はいった東入沢川みたいに。でもそうでもなかった。いるにはいるけれど、釣れるのは20p前後。悪くはないが、ちと期待はずれか。
これは25p。
やがてまた滝場に出る。
これも見事な滝だが、ナナメにかかった流木がな・・・。これを高巻く時間も気力もない。ここで納竿するつもりで滝つぼに仕掛けを投入する。
なかなか反応がない。もうここで最後と決めていたので、しつこく攻める。そしてやっと捉えた。
腹の黄色があざやかなイワナだ。これも尺はなく、27pといったところだ。
帰りは来た道を戻るしかない。斜面を駆け上り、件の沢を下る。なめらかな岩があったり倒れた樹木があったりで、へたをすると転倒する。トマトの国に着くころには膝がわらっていた。
タニウツギ。
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